ベトナム人との国際結婚|必要書類・手続きの流れを行政書士が解説

ベトナム人の方と結婚する場合、日本で先に婚姻手続きをする方法と、ベトナムで先に婚姻手続きをする方法があります。どちらの方法を選ぶかによって、必要書類や手続きの流れが異なります。
この記事では、ベトナム人との国際結婚について、日本とベトナムそれぞれの手続きの流れ、必要書類、注意点を解説します。

ベトナム人との国際結婚には2つの方法がある

ベトナム人と日本人が結婚する場合、主に次の2つの方法があります。

  • 日本で先に婚姻手続きを行う方法
  • ベトナムで先に婚姻手続きを行う方法

日本で先に婚姻する場合は、日本の市区町村役場に婚姻届を提出した後、ベトナム側で必要な手続きを行います。
一方、ベトナムで先に婚姻する場合は、ベトナムの関係機関で婚姻登録を行い、その後、日本側に婚姻届を提出します。
どちらの方法でも、婚姻する国の法律や関係機関の案内に従って手続きを進めることが重要です。

郡山市に住むベトナム人は821人

郡山市の公表資料によると、2026年3月末時点で、市内に住民登録しているベトナム国籍の方は821人です。ベトナム人の方と結婚し、福島県郡山市など日本で生活することを考えている場合は、婚姻手続きだけでなく、結婚後の在留資格についても準備しておくことが大切です。

参考:郡山市「国籍別外国人人口・世帯数」

日本で先に婚姻手続きをする場合

1.ベトナム人配偶者の必要書類を準備する

日本の市区町村役場に婚姻届を提出する際は、ベトナム人配偶者について、婚姻要件を満たしていることを証明する書類などが必要になります。
在日ベトナム大使館では、日本で婚姻手続きをするベトナム人について、婚姻要件具備証明書の発行手続きを案内しています。
主な書類として、次のようなものが挙げられています。

  • 婚姻要件具備証明書の申請書
  • ベトナム人配偶者のパスポート
  • ベトナムの関係機関が発行する婚姻状況確認書
  • 住民票など、日本での住所を確認できる書類
  • その他、大使館が指定する書類

必要書類や発行条件は、婚姻歴や個別事情などによって異なる場合があります。申請前に、必ず最新の案内を確認してください。

参考:在日ベトナム大使館「ベトナム人と外国人との婚姻届」

2.日本の市区町村役場に婚姻届を提出する

必要書類を準備したら、日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。
主な提出書類は次のとおりです。

  • 婚姻届
  • ベトナム人配偶者の婚姻要件具備証明書など
  • 外国語の証明書に添付する日本語訳
  • 日本人配偶者の戸籍謄本(提出先の役所や状況によっては不要)
  • ベトナム人配偶者のパスポートなど、国籍や本人確認に必要な書類
  • その他、役所から求められた書類

外国語の書類には、日本語訳の添付が必要になることがあります。また、婚姻要件具備証明書に代わる書類など、個別の事情に応じた確認が必要になる場合もあります。
必要書類は提出先の市区町村役場や個別事情によって異なるため、婚姻届を提出する前に窓口へ確認しましょう。

3.ベトナム側で必要な手続きを行う

日本で婚姻届が受理された後は、ベトナム側でも婚姻に関する手続きが必要になる場合があります。
在日ベトナム大使館では、日本の役所で婚姻した場合の届出や、婚姻に関する証明書の手続きについて案内しています。
必要書類として、婚姻届受理証明書や戸籍謄本、夫婦それぞれのパスポートに関する書類などが考えられますが、手続きの種類によって異なります。
婚姻届が受理されたら、在日ベトナム大使館に連絡し、ベトナム側で必要な婚姻登録・記録の手続きと書類を確認しましょう。

参考:在日ベトナム大使館「ベトナム人と外国人との婚姻届」

ベトナムで先に婚姻手続きをする場合

1.日本人配偶者の婚姻要件具備証明書を取得する

ベトナムで婚姻する場合、日本人配偶者は、日本の法律上、結婚できる要件を満たしていることを証明する婚姻要件具備証明書(独身証明書)を準備します。
この証明書は、日本国内の本籍地役場で取得する方法と、在ベトナム日本国大使館などで取得する方法があります。
在ベトナム日本国大使館で取得する場合、主な必要書類は次のとおりです。

  • 証明書発給申請書
  • 日本人配偶者のパスポート
  • 発行から3か月以内の戸籍謄本・戸籍抄本など
  • 必要に応じて、婚姻予定者の身分事項を確認できる書類

大使館で取得する場合は、原則として申請者本人が来館する必要があります。

参考:在ベトナム日本国大使館「ベトナム国籍者とのベトナムでの婚姻手続き」

2.証明書の認証や翻訳などを行う

日本で発行された婚姻要件具備証明書などをベトナムで使用する場合、ベトナム側の手続きに応じて認証やベトナム語への翻訳が必要になります。
在ベトナム日本国大使館の案内では、大使館で取得した証明書について、ベトナム政府の認証を受けたうえで、ベトナム語に翻訳する流れが説明されています。
日本国内で取得した証明書を使用する場合は、追加の証明手続きが必要になることがあります。
書類の取得先によって手続きが異なるため、実際に婚姻登録を行う人民委員会と関係機関に、認証・翻訳の要否を事前に確認しましょう。

参考:在ベトナム日本国大使館「ベトナム国籍者とのベトナムでの婚姻手続き」

3.健康診断書を取得する

ベトナムでの婚姻登録では、日本人配偶者について健康診断書の提出が求められます。
在ベトナム日本国大使館の案内では、精神科を診療科目に含むベトナム国内の公立総合病院が発行する健康診断書について説明されています。自己の意思を表示する能力があり、結婚生活に支障がない旨の記載が必要で、発行日から6か月以内のものとされています。
日本国内の病院が発行した診断書を使用できる場合もありますが、認証などの追加手続きが必要になることがあります。
必要な診断書の内容や有効期間は、提出先の案内に従って確認してください。

参考:在ベトナム日本国大使館「ベトナム国籍者とのベトナムでの婚姻手続き」

4.人民委員会で婚姻登録を行う

必要書類がそろったら、ベトナム人配偶者の本籍地などを管轄する地方人民委員会で婚姻登録の手続きを行います。
一般的な流れは次のとおりです。

  1. 婚姻登録に必要な書類を準備する
  2. 管轄の人民委員会に申請する
  3. 求められた場合は、夫婦双方が面接などに対応する
  4. 婚姻登録が完了したら、婚姻証明書を受け取る

在ベトナム日本国大使館の案内では、申請が受理された後、概ね15日以内に面接が行われ、面接には当事者双方の出頭が必要とされています。
ただし、実際の手続きや必要書類は地域によって異なる場合があります。申請前に、管轄の人民委員会へ確認することが大切です。

参考:在ベトナム日本国大使館「ベトナム国籍者とのベトナムでの婚姻手続き」

5.日本側に婚姻届を提出する

ベトナムで婚姻が成立したら、日本側にも婚姻届を提出します。この手続きは、すでに成立した外国方式の婚姻を日本の戸籍に反映させるための届出です。
原則として、婚姻成立から3か月以内に日本側への届出が必要です。
届出先は、日本の本籍地役場または在ベトナム日本国大使館などです。ただし、届出先によって必要書類や提出通数が異なるため、事前に確認しましょう。
在ベトナム日本国大使館で届け出る場合、主な必要書類は次のとおりです。

  • 婚姻届
  • ベトナムの婚姻証明書
  • 婚姻証明書の日本語訳
  • ベトナム人配偶者の国籍証明書(パスポートまたは出生登録証明書など)
  • 国籍証明書の日本語訳
  • 日本人配偶者のパスポート

日本語訳には、翻訳者の氏名など、必要事項を記載します。日本の本籍地役場へ直接届け出る場合は必要書類が異なる可能性があるため、事前に確認してください。

参考:在ベトナム日本国大使館「婚姻届」

ベトナム人との国際結婚で注意したいポイント

必要書類は個別事情によって異なる

必要書類は、初婚か再婚か、過去の婚姻歴、現在の住所、書類の発行国、婚姻する地域などによって異なる場合があります。
また、外国語の書類には翻訳が必要になることがあり、認証や有効期間に関する条件も確認しなければなりません。
インターネット上の情報だけで判断せず、実際に手続きを行う役所や大使館の最新情報を確認しましょう。

結婚後に日本で暮らす場合は在留資格の確認も必要

ベトナム人配偶者が日本で暮らす場合、婚姻手続きとは別に、在留資格について検討する必要があります。
日本人と結婚した外国人が日本で生活するために申請する在留資格の一つが「日本人の配偶者等」です。ただし、結婚しただけで自動的に在留資格が取得できるわけではありません。
本人の状況に応じて、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請などの手続きが必要になります。

国際結婚できる年齢

日本では、男女ともに18歳以上で婚姻できます。一方、ベトナムでは、男性は20歳以上、女性は18歳以上であることが婚姻の条件です。
日本とベトナムでは婚姻可能年齢が異なるため、手続きを進める際は、それぞれの国の法律に定められた婚姻条件を満たしているか確認しましょう。

参考:JICA「婚姻家族法(2014年法)」

よくある質問

Q.日本で婚姻届を提出すれば、ベトナム側の手続きは不要ですか?

日本で婚姻届が受理された後、ベトナム側で必要な婚姻登録・記録などの手続きを確認する必要があります。具体的な手続きは在日ベトナム大使館に確認しましょう。

Q.ベトナムで結婚した場合、日本への届出はいつまでに必要ですか?

原則として、婚姻成立から3か月以内に日本側へ届出を行います。届出先によって必要書類が異なるため、事前に確認しましょう。

Q.ベトナムで婚姻する場合、健康診断書は必要ですか?

在ベトナム日本国大使館の案内では、婚姻登録に当たり、所定の健康診断書が必要とされています。診断書の内容や有効期間、発行する医療機関の条件を確認してください。

まとめ

ベトナム人との国際結婚では、日本で先に婚姻する方法と、ベトナムで先に婚姻する方法があります。それぞれ必要書類や手続きの流れが異なるため、どちらの国で先に婚姻するかを決めたうえで、関係機関の最新情報を確認しましょう。
特に、婚姻要件具備証明書、健康診断書、書類の認証・翻訳、日本側への届出期限は、事前に確認しておきたいポイントです。
結婚後に日本で暮らす予定がある場合は、婚姻手続きだけでなく、配偶者の在留資格についても早めに準備を進めましょう。

酒井翔行政書士事務所 公式ホームページ

この記事を書いた人 Wrote this article

酒井 翔

酒井 翔 申請取次行政書士

酒井翔行政書士事務所 代表。福島県行政書士会所属(行政書士登録番号:第23051767号)。 福島県郡山市を拠点に、外国人の在留資格(ビザ)申請を中心とした入管業務に従事。

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